本屋でゼンタングルを初めて知ったとき私はまずゼンダラに夢中で、トラディショナルなゼンタングルに魅力を感じていませんでした。ゼンダラ以外に興味がなくて、本屋で買った本をちゃんと読んでさえいませんでした。数ヶ月してゼンタングル公式から『zentangle PRIMER』が発売された時、それを読んでやっとトラディショナルなゼンタングルの魅力が分かりました。
ゼンダラを描くとき私は色に迷います。でもトラディショナルなゼンタングルは白黒なので、色に迷うということがありません。おかげで線を描くことに集中できます。でもどのタングルを使うかにも迷います。そこで便利なのが「レジェンド」です。サイコロでタングルを決めることができます。
私の発想にバリエーションがないせいだと思うのですが、何枚もトラディショナルなゼンタングルを描いているとタングルの使い方が同じようになってきます。レジェンドを使うとサイコロで出た数字でタングルが決まるので、自分のいつものパターンを崩すことができます。人間、何が良いのかわからない時に「これにしなさい」と言われると「え、それじゃないのがいいんですが…」となるのも普通だと思います。レジェンドで出たものを何が何でも描くというのも面白いのですが、嫌なら変えても良いというルールでやるのも面白いです。何度も同じ番号が出ることもあります。
ゼンタングルの良いところの一つに「電気製品を使わないででできる」というのがあります。停電のときやネットの調子が悪い時、私はすぐにタイルを出してきて描き始めます。大概、停電もネットも放っておけば治りますからね。私じゃどうにもできませんし。
絵はまず完成形をイメージしてそれから描くものだと思っていました。何度かアイデアスケッチをして形を決めた後に下書きをして描くとか。そうするともう敷居が高すぎて、私は面倒になって描くのをやめていました。ゼンタングルメソッドでは、完成形をイメージしないで下書きもろくにしないで描き始めます。なので出来上がりが自分でも予想外な作品になって面白いです。
気に入らない箇所があるからといって落ち込むことはありません。そこに執着しなくていいんです。私もよくありますが「あー!!」と思っても、次の線、次のタングル、次のタイルがあります。一枚完成してから見たら、さっき気になっていたところなんてどうでもよくなっています。複数のタイルを並べたらなおさらです。これは、実生活にも通じてるんですよ。タイルで何度も何とかなった経験をしていくことで、実生活でも小さなことにクヨクヨしないで一つずつ進めていけば大丈夫なんだということが心から実感できるそうです。